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見解

2020年2月4日(火)

厚労省公表の公的病院再編・統合「再検証」リストの問題をめぐり、当会など4団体で共同声明

 奈良県保険医協会はこのほど、県内の医療・社会保障関係3団体とともに、厚生労働省が公表した公的病院再編・統合「再検証」リストの問題について、下記の共同声明を発表しました。

【共同声明】
▼厚生労働省による公的病院再編・統合「再検証」リストは撤回を
▼奈良県は県民不在の拙速な地域医療構想具体化協議をあらため、ていねいな議論を

令和2年1月17日厚労省通達「公立・公的医療機関の具体的対応方針の再検証等について」にもふれて

「病床削減ありき」のリスト公表に、厳しい批判が集中
 昨年9月26日、厚生労働省(以下、厚労省)は再編・統合の必要性があるとして、全国424の公立・公的病院等(奈良県内の5病院を含む)の名称を公表しました。これは「地域医療構想」の具体化が遅々として進まないことへの苛立ちとも取れる、「ベッド削減先にありき」の発表であり、また424病院の抽出根拠も不明確であり、全国知事会の平井伸治社保常任委員長(鳥取県知事)が「リストを返上してほしい」と発言するなど、全国の病院や自治体関係者から、厳しい批判があがりました。

リストの「一定見直し」も、基本姿勢は同じ。「修正」ではなく、きっぱりと「撤回」を
 批判を受け、厚労省は9月26日付公表リストの再精査を行い、一定の修正を経て「確定版」の公表を準備しています。厚労省は、確定版リスト公表に先がけ、1月17日付通達で、あくまで「技術的助言」だと断ったうえで、各都道府県へ公立・公的「再検証対象医療機関」の内容精査と方針策定のための指針を示しました。その中で「(厚労省の)分析だけでは判断しえない地域の実情に関する知見を補いながら、議論を尽くされたい」として、「(厚労省が)設定した領域以外の一部の診療領域に特化し、疾患特性に応じて一定の急性期を有」する医療機関につき「慎重に議論」することや、「類似かつ近接」する医療機関にかかる判断につき「6領域ごとの…役割分担の方向性」の「協議」を丁寧に進めること等を指示しています。
 しかし、準備中の確定版リストも「あくまで現状で把握可能なデータを用いる手法に留まるもの」と自らが言い訳しているように、抽出根拠に大きな変化はありません。私たちは、厚労省の姿勢に抗議するとともに、公立・公的医療機関「再検証」リストの「修正」ではなく、「撤回」を要請します。

奈良県の5つの病院も対象に。奈良県は拙速な結論を急がず、ていねいな議論を
 9月26日に公表された奈良県内の5つの病院は、いずれも大変重要な役割を担っています。たとえば済生会の3つの病院は、地域のプライマリーケアを担い、救急や急性期の医療を提供しています。そして何よりも無料低額診療事業に旺盛に取り組み、低所得者層の医療アクセスを保障してきた貴重な病院であり、このような病院の再編・統合は不適切と言わざるを得ません。
 奈良県は県内5病院の名指し公表に対し、抗議すべきですが、こともあろうか、荒井正吾奈良県知事は10月9日の記者会見の中で厚労省のリスト公表を評価する見解を発表しました。奈良県は、「地域医療構想」による医療機関の再編・統廃合のフロントランナーとなるべく、昨年秋より地域医療構想具体化の諸会議への公立・公的病院及び民間の急性期病院の参加を求め、この2月には2次医療圏毎の調整会議の開催など、民間病院を含む県内すべての病床の転換及び削減の計画を、年度内に完成させようとしています。それは、診療報酬改定を4月に控えて対応に忙殺される各医療機関から「熟考の機会」を奪うものであり、しかも地域住民の議論への参加を保障せず、無理やり枠の中に押し込めるような議論の進め方であり、県民不在と言わざるを得ません。
 私たちは、こうした県の姿勢に抗議し、県民の要望と地域医療の実情にそくした、冷静でていねいな議論がなされることを切に望むものです。

2020年2月4日
奈良県社会保障推進協議会 会長 藤垣全弘
奈良県保険医協会 理事長 青山哲也
奈良民主医療機関連合会 会長 横山知司
奈良県医療介護福祉労働組合連合会 執行委員長 弘田嘉伸


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