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主張

2017年9月15日

2018年度予算概算要求について―社会保障・診療報酬の充実を求める

 2018年度概算要求について、8月31日に概要が出そろった。厚生労働省は社会保障費について、介護や医療などの費用が高齢化で伸びる「自然増」が6300億円あるとみて、実質的に過去最大となる31兆4298億円を求めた。

 6月9日に閣議決定された「骨太方針2017」では、「経済・財政再生計画」を昨年末に公表した「改革工程表2016改訂版」にそって「着実に実行していく」ことを宣言している。この方向にそって、政府は、来年度の社会保障費の自然増分6300億円を5000億円に圧縮するために、年度末までに1300億円の削減を検討するとしている。

 重点施策として、(1)「働き方改革」の着実な実行、(2)質の高い効率的な保健・医療・介護の提供の推進、(3)すべての人が安心して暮らせる社会に向けた環境づくりの3点を掲げており、医師の長時間労働是正に向け、病院の実態調査を実施するほか、相談体制の強化をはかることなどを掲げている。

 自然増分の圧縮策の特徴は、医療と介護を一体で改悪することである。2014年、2016年同様に診療報酬の実質マイナス改定を進めようとしている。診療報酬は医療の質と量を担保するものである。患者さんに提供する医療水準を担保するためにも、医療技術者の技術を正当に評価し、医療機関の経営基盤を安定させることが喫緊の課題である。そのために、保団連や保険医協会が技術料を中心に10%以上の診療報酬の引き上げを求めている。

 そもそも日本は、GDPが世界第3位にもかかわらず、ヨーロッパ主要国と比べても事業主保険料や消費税以外の税収の負担率は低い。しかも、消費税が導入された1989年度から2015年度まで消費税収は累計305兆円に対し、法人3税の減収は約262兆円である。つまり、「この四半世紀の間、消費税増税は、法人税減税の減収分の穴埋めをしていた」にすぎず、そのことが大きな歳入欠陥をもたらしてきた要因であった。

 企業内部留保の7%(約25兆円分)を活用することで、約836万人の非正規労働者を正規労働者にすることができ、経済波及効果は、税収2.5兆円、医療保険料2.2兆円、厚生年金保険料3.6兆円の増収が見込める。

 誰もが安心して受けられる医療・社会保障にするため、削減ありきではなく正当な診療報酬の評価と充実こそが求められる。

【奈良保険医新聞第420号(2017年9月15日発行)より】

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