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主張

2018年6月15日

医科歯科連携の重要性―今次改定とも絡めて

 2018年度診療報酬改定が告示・通知された。今次改定の基本的な考え方のひとつとして、地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化・連携の推進が掲げられた。その中でも医療機能(医科、歯科)の連携は今回大きく取り上げられた分野である。
 歯科医師が在宅を中心とする分野に取り組めば算定できる項目が多くみられる。さらに、医科の在宅療養支援診療所が歯科訪問診療の必要をみとめ情報提供を行う場合について、診療情報提供料(機砲了科医療機関連携加算(100点)が算定できる。従来は在宅療養支援歯科診療所に限定されていたのが、一般歯科医療機関に対象が拡大された。また慢性疾患を有し全身管理が必要な患者の歯科診療を行うにあたり、医科に当該患者の診療情報の提供を依頼した場合に算定できる、診療情報連携共有料(120点)が新設された。回答する医科側にも同じ点数が新設された。
 入院ベッド数の削減で在宅医療に入らざるを得ない多くの高齢者の経口摂取を確保することは健康管理には必須であり、医科歯科連携しての取り組みが求められる。
 医科でも歯周病の治療で糖尿病の症状が軽快することなどが明らかになっている。またがん治療や高齢者医療においても、う蝕だけに限らず口腔内のケアは重要になってきている。
 口腔内の健康が全身の健康にもつながっているといえる。医科から歯科へのアプローチ、歯科から医科へのアプローチがもっとスムーズに行えるような診療報酬体系や顔の見える関係づくりが重要だと考えられる。
 口から食べられることが全身の健康にもつながり、病院では栄養サポートチーム(NST)によるチーム医療で患者の栄養状態も改善するなど成果を挙げているところもある。病院にも歯科医師が積極的に関与できるようになれば、全身の健康管理に役立てられ結果的には医療費の減少にもつながるのではないだろうか。
 ただ、算定できるようになる項目が増えたと言っても、診療報酬上認められていない手間も多く、算定するにも届出の手続きが煩雑であったり、要件が厳しく在宅医療はまだまだハードルが高いものになっている。医科歯科連携を推進していく上でもわかりやすく算定しやすい診療報酬体系にしていく必要がある。また、連携にあたってのコーディネートなどもっと行政が旗振り役にならなければ絵に描いた餅に終わってしまうであろう。

【奈良保険医新聞第429号(2018年6月15日発行)より】


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