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主張

2021年2月15日

日本は核兵器禁止条約に参加を

 核兵器禁止条約が1月22日に発効を迎えた。核禁条約は、核兵器を非人道的で国際法に反するとして開発、製造、保有、使用を禁じるものである。残念ながらこの条約には核保有国はもちろん、NATO加盟国や日本、韓国など、いわゆる核の傘に入っているとされる国々の参加はない。しかし条約の発効は国際的な規範となり、更に多くの国が批准すれば規範はより一層確固なものとなることが期待される。

 唯一の被爆国として核廃絶の先頭に立つべき日本政府は、あろうことか国連での交渉会議の議論にさえ加わらず、初日に不参加を宣言して席を立ち、世界中の核廃絶を願う人々の失望を招いた。そして条約発効に際し、核廃絶を進める現実的アプローチを取ると表明し、条約に参加することを拒んでいる。しかし条約締結に動いた国々との対話も信頼も欠いたまま、どんな現実的な段階を踏むのか。核廃絶に背を向けているとしか思えない。

 条約の拘束力は締結国以外には及ばず、核保有国が参加していない現状は、核をめぐる状況がすぐに変わるわけではない。しかし核兵器が明確に違法と位置づけられ、核を持つことの正当性を保有国は問われ、その包囲網は確実に狭まる。クラスター爆弾の禁止条約がそうであるように、国際的な規範ができることで使用が出来なくなるのである。

 核の拡散防止を謳うNPTも究極的には核廃絶を目指しているのだろうが、発効から半世紀を経てNPTの限界、矛盾は明らかである。核禁条約によりNPTを補完し、核軍縮の取り組みを強めていくことに何ら矛盾はない。

 日本政府は、核廃絶を目指すと言う一方で、米国の核への依存を強めている。中国の核軍備の増強や北朝鮮の核開発を踏まえて、核抑止力の維持・強化を安全保障戦略の柱に据え、米国の核戦力の削減に反対すらしている。

 核禁条約は、核抑止という名の下で核の脅威に覆われた世界のあり方を根本から問うものである。日本はいつまで核抑止力に頼る姿勢を続けるのだろうか。核抑止論は指導者が核報復を恐れる、という理性的な判断を下す事が前提の空論である。北朝鮮の指導者や異形な前アメリカ大統領に核抑止という概念が通ずるだろうか。あるいは所謂テロ組織に対し核抑止論が有効であろうか。

 締約国会議は、条約に参加していない国もオブザーバーとして参加できる、としている。日本政府はオブザーバー参加でもよい、先ずは議論に参加することが被爆国としての最低限の務めである。今年秋までには解散、総選挙が実施される。議員、候補者に働きかけ、核抑止に頼る姿勢を変えることが核廃絶への大きな一歩となることを訴えたい。

【奈良保険医新聞第461号(2021年2月15日発行)より】

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