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主張

2017年7月15日(土)

改正介護保険法の問題点

 改正介護保険法が6月17日に成立した。現役並み所得者の介護保険利用料を3割負担に引き上げる、介護保険を要支援からはずし地域支援事業に移行する、介護保険の利用者負担の負担限度額を引き上げるなど高齢者に負担を押し付ける中身となっている。
 来年は診療報酬改定と同時に介護報酬改定も予定されている。6月9日に決定した骨太方針では医療・介護の給付削減、提供体制縮小を一体ですすめるため、都道府県の総合的なガバナンスを強化し、医療費・介護費の高齢化を上回る伸びを抑制する方針を掲げた。同じ年には医療費適正化計画と医療計画、介護保険事業計画の策定が重なり、今国会で成立した介護保険改正の実施など、医療・介護一体改革が一斉に始まる。同時改定により地域医療構想による病床再編・削減をさらに後押しすることが鮮明になった。介護施設や一般病床への転換をはかるため、報酬水準・算定要件など入院基本料のあり方、介護医療院の介護報酬・施設基準のあり方を検討課題に挙げた。介護保険においても「1人あたり介護費の地域差縮減」を目標に掲げ「介護費や認定率の地域差」に応じて交付金を配分することを早期に具体化するとともに調整交付金の活用についても検討する方針だ。
 2000年に「介護の社会化」という大義名分のもと、介護保険制度が導入された。少ない年金から介護保険料が天引きされ、介護保険制度サービスはどんどん削られ現在は要介護3以上でないと特別養護老人ホームに入所できないことになっている。介護保険料は軒並み引き上がり、基金には潤沢な保険料が積立てされているにも関わらず、介護保険認定が厳しくなるなどで非該当となり、介護保険の恩恵にあずかれない高齢者が続出している。要介護度が低い方のサービスはずしは以前から続いており、要支援の方は生活援助を受けられない。1人ひとりにきめ細かいサービスをして、QOLを保ち、人間らしく生きられるためのサポートを行うのが本来の介護福祉の趣旨ではなかろうか。
 介護保険料を払い続けてきたのにいざとなれば介護保険の恩恵を受けられないということであれば、本来の皆で支え合う介護という趣旨から大きく逸脱している。そして「金の切れ目が命の切れ目」と言わんばかり厳しい生活を強いられている。
 誰もが尊厳ある人生を全うし、自分の人生を生ききる権利がある。憲法25条に恥じぬよう介護保険制度の改善こそが求められる。

【奈良保険医新聞第417号(2017年7月15日発行)より】


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